第17章 インターハイ本番
あれから試合は続き、日向の放ったスパイクは3枚ブロックに止められた
大きく跳ねあがったボールが、エンドラインまで飛んでいく
影山が伸ばした拳が、ほんの少し、あとほんのボールひとつぶん、届かない
『.....ッ!』
息を呑む、まさか、そんな、口元が身体が両手が震える
ピッと短く笛が鳴った
青城側に今日一番の歓声が湧き、得点板は33対31を示した
そのまま、今度は長く笛が鳴って、試合終了を知らせる
セットカウント2対1。勝者は、青葉城西高校
整列と握手を終え、両チームは自陣の観覧席前へと足を運ぶ
深く頭を下げ、「ありがとうございました!!」と挨拶した
まばらな拍手が彼らに贈られる
それは、見学していた他校の生徒たちや、及川を応援しに来ていた女子たちからも送られた
「お疲れ!」
「いい試合だった!!」
『....ッ、かっこよかったよ、皆!』
なるべく出来るだけ大きく明るい声を出しては、言葉を発する
皆は1番の試合をしたのに、そんな顔しないで
どうか、どうか、眉を下げ笑顔を見せると皆も少し苦しそうな笑顔をみせてくれた