第17章 インターハイ本番
烏野側の誰もが祈ったサーブは、ネットの水平帯にぶつかり、そして弾かれ、トンッと静かな音を起てて烏野コートに落ちたボールが、小さくバウンドして転がる
青城が20点に乗った
歓声が上がる
「す....すみませんっ....すみません!!」
「山口!!!」
肩を落としてベンチに戻る山口の背中に、澤村の声が響く
真っ青になって振り向く山口に、彼は当たり前のように言った
「次。決めろよ」
情けなさで目の縁を赤くし、歯を食いしばった山口が今日一番の声を張る
「ハイ!!!」
悔しい、悔しいけど、唇をぎゅっと噛んでは眉を下げる、ふと皆の目の色が空気が変わったのがわかった
岩泉が拾い、及川がトスを上げ、松川の打った速攻が烏野コートに落ちる
24対22。青城のマッチポイントだ
「野郎共ビビるなァーーーッ!!」
声もなく得点板を睨みつける面々の後ろから、西谷が叫んだ
「前のめりで行くぜ」
さすが、ゆーだなあ、ほんとに、凄いや
ふとゆーと視線が会うと、にっといつもの笑顔を見せてくれる