第17章 インターハイ本番
「山口、流れ変えてこい!」
烏養の言葉に、山口がコートの中を見た
この目の前のサイドラインを越えれば、そこは違う世界だ
足を踏み入れて、"気温"の違いに息を呑む
ネットの向こう側の青城からの気迫が、ピリッと肌を滑った
ぐっちー大丈夫かなあ、ちらっと嶋田さんの方を見ると凄く心配そうな祈るような瞳をしてた
「大抜擢じゃねーか、山口!」
「一本行ったれ、山口!」
「ナイッサ」
「ナッナッナイッサ!きっきらっ気楽に行けよっ」
みんな声掛けしてくれてる、みんな緊張してるよね
「山ぐーーちっ!!一本ナイッサーブ!!!」
ベンチから上級生たちがコミカルなポーズ付きで激励を送ってる
一瞬呆気に取られながらも、山口は小さく頷き、サービスエリアに足を運んだ
「公式戦デビューがピンサ―か....」
ホイッスルが鳴った
サーブトスを上げた、お願いはいって__!!