第17章 インターハイ本番
「うおおおお…!体育館でけえ…!」
嬉しそうに顔を輝かせた日向が呟く,凄く嬉しそう。
「エアーサロンパスのにおい!」
確かにほのかにサロンパスの匂いがした。
懐かしい、この臭い。ってそんな懐かしくもないか。
そのとき、彼らの真正面からこちらにやってきたチームがあった。
緑色のアクセントを利かせたジャージを着こなし、思わず見上げるほどの長身の集団。
烏野にとって、忘れることなどできない因縁の相手。
「伊達工業…!」
緊張が走ったのがわかった,うわあ,みんな固まってる。って...当たり前だよね。
あ、もにもに!もにもにだ、さっくーもいる!えへへ,会えて嬉しいとか思っちゃうのはいけないことなんだろうか。
ん?何だにろにー、こっち見るな。
するとあおあおがスッと腕を上げた。まっすぐに突きつけた人差し指は、間違いなくあさあさに向かってた。
ん?んんん???
あ、これあれかな、ロックオンってやつ???
もにもにが慌てて飛び出してきて、申し訳なさそうにあおあおを連れていこうとする。
「すみませんすみません」
「いえ...」
「おい、二口!手伝えっ!」
「すみませーん...コイツ、エースとわかると"ロックオン"する癖があって...だから―...」
言葉とは裏腹に軽いノリで、にろにーが振り返る。
「今回も覚悟しといてくださいね」
うわあ、自信たっぷりな表情。ん?なんだにろにー、どした?なんだ、手招きされたぞ?ん?ん??私だよね??
「ももこ,まさか呼ばれてたりするか..?」
『あははー...少し行ってきます』
「おい,お前..学校来て以来連絡してこなかったな?ん?」
『いてててて,いたいいたい.もにもに助けへるぷへるぷ』
「おい,二口。やめてやれって,烏野の皆さんも待ってるだろ」
「はあ...」
ばーかばーか、にろにーのばーか
ん?さっくーだ!さっくーさっくー、手を振ると慌てて見渡してははにかみながら手振ってくれる、可愛い可愛すぎか!
ん?なんか視線感じ..?
『ん?あおあお,どしたの..?』
「...今日は,勝つ」
『...!わたしだって,烏野は強いから.負けないよ』
あ、やべ、声出し過ぎた...ん?ん?何か背後からの視線がいたいいたいいたい