第16章 大志を抱け
「…で,ウシワカって?」
「日向は小さな巨人ばっかだもんな」
翔陽知らなかったんだ
危ない危ない,危うく若様って言いそうになっちゃったよ
「ウシワカっつーのは県内では間違いなく今No.1エースの牛島若利だ」
「うーん,これぞまさにエース!って感じだよな」
「うんうん,そうだな」
「「…」」
そう言ってこーしと大地さんは無言であさあさに顔を向けた
「オイなんで こっち見て!」
「大丈夫っすよ!旭さん」
ゆーはあさあさの肩をバンバン叩いている
「...これを倒さないと音駒とは戦えない...」
「こらこら 白鳥沢だけが強敵じゃねーぞ」
「他は...去年のベスト4とかですか...?」
こーしが繋心くんに尋ねる
「4強も勿論。だが...今年は他に強敵が居る。そうだな...まずは...」
繋心くんと視線が合う
私は持っていたメモ帳くらいのノートを取り出し言葉を紡ぐ
『守りと連携に優れた”和久谷南”かな,高さはそれ程でも無いけどレシーブでとにかく拾って繋いでいるイメージ
あとは_鉄壁の一言に尽きる_”伊達工業”
どこよりも高いブロックを誇っているチームって言っても過言でもないと思う。チームワークもいいし,1番注意する所はやっぱりブロックだよね。
』
「...!お前,どうして」
『ふは,ここの何日間は偵察に行ってたんだ,なかなか言いずらくなっちゃって...皆に迷惑かけてすみません..』
「そうだったのか!!」
「迷惑なんかじゃない,俺らのためだろ?」
ゆー達に驚かれらながもこーしに頭を撫でてもらい中であります
「ただ......」
『.......?』
「心配したのも本当だからな,皆もしてたんだぞ?」
『....!!心配かけてすみません』
「じゃなくて,お礼言われた方がいいな」
『....!あ有難う』
そっと何度も頭を撫でてもらえては笑顔を見せてくれました
心配してもらえてたんだな,嬉しい
「あ..でもあれだよな?今年の3月..伊達高とは県民大会で2-0で負けてるな」
「!……」
あさあさの表情が曇った
「「!…」」
『...「ももこ,頼んでいいか?」あ,うん,次…は,こことはやったことあるよね…恐らく総合力では県内トップ選手の…及川徹率いる青葉城西』
そうあの及川さんの率いる青葉城西