第15章 会いたいけど会いたくない人
はい,それで今に至ります
「ももこちゃ..あ,桜乃さんさー」
『へ,あ,普通に名前で呼んで下さると嬉しいです』
私を抱えてくれてる花さんに問い掛けられる
「有難う,んじゃそうさせて貰おうかな,そろそろ下ろしてもへーきかな?」
『あ...え,あ,そその.,すすみませんが,部室までお願い出来ないでしょうか?』
そうすると不思議そうに2人とも顔を見合わせこちらを見てくる
そうですよね,重いから早くどけよって思いますよねー
でも車椅子がある部室までは土下座しても送ってもらわないと...
「理由でもあるの?」
首を傾げ隣に歩いている松さんに問い掛けられる
『私..車椅子普段使って居て..すみません..重いのに』
眉を下げては謝罪の言葉を述べる
すると2人とも納得したのか頷いては言葉を掛けてくれる
「女の子を重いだなんて,ももこちゃんは軽いよ」
「あ,花巻にお姫様抱っこされるのが嫌なんじゃないか?」
「え,俺しょっくー」
『そそんなこと!』
目を丸めては首を必死に左右に振り言葉を紡ぐ
2人は私の何かが面白かったみたいで笑ってくれ冗談だと言ってくれた
がちゃ
「あ,もしかしてあれか?」
すると部室に着いたのかドアを開け中に置いてある車椅子を指差して問い掛けてくれる松さん
『そそうです,有難う御座います!』
ゆっくりと車椅子に座らせてくれる花さん
『それではあの..失礼致しますね,花さんも松さんもここまでわざわざ重いのに有難う御座いました』
深々と頭を下げてはここまでついて来てくれた2人に御礼を述べる
「あのーさ,少しさ...話したいんだけど大丈夫かな?」
『あ,はい...大丈夫ですけど,何かご用でしょうか?」
ん?やっぱり重かったから土下座しろよ!みたいなやつですか?そうですよね,もういまから土下座しますよ本当に
「ずっとねももこちゃんに会ってみたかったんだ,なー松川?」
「ああ,及川達が話してたの聞いてたから会ってみたかったんだ」
はい?え,あ,!想像していた美女じゃないからがっかりしたとかそういう系ですよね!
「ももこちゃんと会う前は本当は言い方悪いけどそこら辺にいる男好きの女の子かと思ってたんだよね」
ん?んん?花さんが苦笑して言葉を紡ぐ所を口を開けて聞いてしまう