第15章 会いたいけど会いたくない人
空side
授業中,岩泉先輩からmailが来た
-ももこが誘拐された,すぐに部室に来てくれ-
それを見た瞬間,頭が真っ白になった
またあいつが俺を忘れてしまったら
またあの笑顔で名前を呼んでくれなかったら
すぐに先生に適当に誤魔化し部室に向かった
ばん
『ももこ!?大丈夫か!?』
すると岩泉先輩に抱きついてるあいつ
「空たあああん」
その間抜けな顔といったら
身体から力が抜けその時俺は安心したのかも知れない
それから及川先輩にあいつに何をしたか問い詰め女の子は大事にすべきだという事を言った
そしてきっとももこが及川先輩の何かしらの提案を聞き羨ましそうに岩泉先輩に話したのだろう
岩泉先輩に昼休み屋上に連れて来いと言われた
なんだかんだ岩泉先輩もあいつに弱い
勿論こんな事を言ってる俺もだが
それから前に罰ゲームで女装させられた時の制服を持って来ては渡した
あいつのあの瞳と言ったら考えてる事まるわかりだ
だからと言って説明しても深く聞かれそうだから絶対言わないが
それに烏野の制服でうろつくのは不味いしな
「で出来たよー..」
やっと着たのか後ろを振り向くとうちの制服を着てるあいつが居た
最初目を疑ったがやっばり似合っている
同じ学校だったらまた中学の様に馬鹿言って笑い合えたかも知れない
隣でずっとあいつを見守る事が出来たのかも知れない
そんな事が頭を過ぎった
それを打ち消すかのように恥ずかしい気もしたが
あいつに似合うと言ってりぼんを直してやりそれから座って話をした
最初はたわいもない話だったのに突然なんでこんな事を言い出しのか自分でもわからない
『全く...俺が居なくても大丈夫な様にして貰わないとそろそろ困るんだからな?俺だってすぐに駆けつけてやりてえけど,万能じゃねえから』
するとあいつは不思議そうにさも当たり前に言う
「...でも何かあったら真っ先に来てくれるでしょ?私わかってるよー,ふふん」
その言葉で一気に気が抜けた
『はぁ...そうだな,でも何かある前に心配な事とか些細な事でもいいから溜め込み過ぎず言えよ?』
「ふは,心配すぎ..うんうん,たとえ学校は違ってても空たんは私の大事な空たんだからね」
俺は本当にあいつに一生叶いそうもない