第10章 集まった記憶の欠片
中学の頃みたいで楽しかったな
本当変わらない,何だか嬉しくって擽ったい
「ももこ..?」
『..徹,まだ居たの..?』
「ひっどーい,せっかく俺が居てあげてるって言うのに」
『ふは,誰も居て欲しい何て言ってませーん』
「こいつ..!」
『ふは,くすぐった..!』
「ねえ,ももこちゃん..」
何か探る様な瞳で見詰められる
ん?私何かへんだった..?
『どうしたの..?』
「何で,無理して笑ってるの..?」
...!そんな事は..無いよ,お兄ちゃんが好きな..好きって言ってくれた
『何言ってるの?何時もこんなんだったよ?』
長くなった髪の毛を触ってると
「...焦ったり動揺したりするとさ,無意識にそうやって髪触ってるの気付いてないでしょ?.本当,わっかりやすいなー
せめて,及川さんの前では無理して笑わないでよ
俺は,ももこの記憶が..徹って,呼んでもらえただけで嬉しいんだからさ」
『...ッ,..本当に,大丈夫だよ...ただ,ね..実感が湧いてない,だけなの』
本当に,お兄ちゃんが居なくなってしまった実感が湧かないだけ
ふとしたら,お兄ちゃんが来てくれそうで...
あの時,あのとき..もう,決心はついたと思ったのにな..
「...もう,何処にも行っちゃ嫌だからね」
徹の髪の毛が頰に触れる
いつの間にか抱き締められていたみたい
本当,参っちゃうな..
『いかないよ,何処にも..誰かがこんな私なんかを必要としてくれる限り..ね,何て』
「...俺はももこが必要だよ」
『ふは,知って..』
ねえ,そんな瞳で見詰めないで?真剣な瞳,ばれーしている時の瞳みたい
「..ぷぷぷ,ももこちゃん顔真っ赤ですよ?」
『..眼科をお勧めします』
「いッたぁ!ちょ,及川さんに傷が出来たらどうしてくれるのさ!?」
『べーっだ』
あああ,びっくりした.突然あんな顔見せないで欲しい
それにしても,本当に敵わないなー何て.
久々に笑ってたから頰の筋肉衰えてただけだよ,何て..
徹,本当に有難う