第8章 blue対black
空side
俺はあいつに何も出来なかったのか
いつも俺の隣に居て,はしゃいで笑顔を見せてくれたあいつ
“空たん!”
あいつから呼ばれる名前が好きだった
あいつと居ると心地良かった
笑顔を見ると安心した
高校にそれぞれ入学して,最初の頃は連絡取り合っていたけど
段々と取れなくなっていって
やっと会えたのがあの目の一回も笑顔を見せてくれなかったあいつなのかよ..!!
俺はあいつに何もしてあげれねえのかな
なあ,ももこ
「空兄,如何言う事..?」
「すみません,盗み聞きするつもりは..」
『英..金田一..』
「...2人共聞いちゃったんだね.聞かれちゃった事は仕方ない,大体話はわかったよね?
それで聞いてほしい事があるんだ」
「..ッ,おい!ももこ追い掛けなくて良いのかよ!」
「だって!あんな表情の顔のももこちゃん見た事一回でもあった!?追い掛けても掛けられる言葉わかるわけないじゃん!」
「「「『...ッ』」」」
「ももこちゃんはさっき言ってたように記憶喪失で俺らの事は何一つ覚えてない。それにね,薬服用してるみたいなんだ」
『...!』
「は!?薬って病気なのかよ!?」
「空ちゃんは見たらしいけど,吐き気とか頭痛かな..?本人には詳しく聞いてないけど,見るからにそうだったから.記憶失った後から飲んでたみたいだね」
『...ッ,俺,ももこに聞いたんです.兄さんと両親はって,そしたら元々居ないって』
「「「...!!」」」
「俺...何時か覚えてないけど交通事故で3人が亡くなって1人高校生の女の子だけが残されたってニュースで見た事あります」
「名前は!?」
「名前までは出てなかった気がします...でも,もしかしたら」
『...ッ!』
「...くっそ!」
「....」
「「.....ッ」」
なあ,ももこ
俺はお前が一番辛かった時にいてあげられなかったんだな
ごめんな,本当にごめん