第8章 blue対black
試合中,また見ていられなくなり良い訳をして逃げてきた私
体育館のすぐ近くにある水道へ
水筒に飲み物をいれてきますと無理矢理言い訳をしてきたけど
あー,空さんばっかり目が追ってしまう
見続けてるとまたあの声が聞こえたんだ
『はぁ..ッ,かはッ..』
此処に来なきゃ良かった
そうしたら適当に過ごせたかもしれないのに
『薬..あ』
あー薬落としちゃったし
「君,大丈夫ー?」
この声はあれじゃね?大王様ですよね
そう言えば試合居なかったし..あ-関わらない方が良いんだよね?
でも薬が..
『大丈夫,です..有難う御座います』
「...!」
え,何こいつ薬受け取ろうとしたら避けられたんだけど
「君,桜乃ももこちゃんってお友達にいる?」
『生憎知りません,すみません』
「ふーん..」
早く薬返せよ,また発作起きちゃうだろうが
「御礼言うときは相手の顔見て,だよねー?」
『...有難う,御座いました』
「...!ねえ!やっぱりももこちゃんだよね!?何でさっきから他人の振りしてるのさ!この薬なに..何かの病気なの?何か答えてよ!」
ええ,また前の私ですか
あ,そ言えば気をつけたほうが良いって言われたばっかりだった
あー,やらかした
『....私,記憶喪失らしいので,すみませんが貴方の事を覚えていないんです』
「...!!!」
ほら,また悲しそうな辛そうな顔
そんなに前の私は_____
『...ッ,それでは,有難う御座いました。失礼します』
「ま,待ってよ!」
あー,薬奪い返し何とか逃走
え?症状は大丈夫なのかって?
大丈夫,少し落ち着いたし平気平気
それに逃げるためならなんのその
面倒はごめんだから,早く帰ろう