第7章 打ち上げ
北「ほんとごめん!これあげるから着替えて。」
北斗は紙袋を私に渡した。
中には上品な薄いピンクのワンピース。
『これ、どうしたの?北斗くんがなんでワンピースなんか持ってるの?』
北「えっと…望美ちゃんにプレゼントしようと思って買った。」
ちょっと恥ずかしそうで、ぶっきらぼうな言い方になってる北斗くん。
北「なのに、こんな形で渡すことになるなんて。情けないな、俺。」
そんなに落ち込まないでよ。こっちは嬉しくて泣きそうなのに。
私がかける言葉を考えていると、
「外で待ってるから着替えてね」と言って北斗くんはドアから出ようとした。
だめだ、何か言わなきゃ。
『北斗くん!』
ん?と北斗くんは振り向いた。
『ありがとう!』
この言葉しか出てこなかった。
北斗くんは安心したように微笑んで、何も言わず部屋から出て行った。