第1章 【黄黒】ご機嫌のとり方
隣でスースーと寝息を立てる黒子っち。
いつもならすぐにでも抱きつきたいんスけど今日はしないんス。
(明日、楽しみにしてたのにな…。)
二人の休みがあうことを知ってた俺は黒子っちとのデートプランを密かに組み立てていた。
黒子っちがこの前読んでいた本が映画化されたからそれを観にいってそんでそのあとカメラマンさんに教えてもらったお勧めのケーキ屋さんでケーキ食べてそんでそんで黒子っちに服選んであげて……。
俺がそんなこと考えてたなんてこの人は思いもしないんだろうな…。
黒子っちのほうを向き規則正しい寝息をたてている彼の頬を軽く指でなぞる。
睫毛長いなー。唇おいしそーだなー。
「……ん」
黒子っちが反応した為パッと手を引っ込めた。
起こしちゃったかな?と彼を見るがまたスースーと寝息をたてていた。
あーもう、なんでこんな可愛いんすか…。
誠凛の皆に会うなとは言えない。火神っちや日向さんともお互いの都合が合わなくて中々皆が揃って会う機会があまりないのは俺もわかってる。
ただそれと俺を同じ天秤にかけてしまうのが俺ってゆー生き物なんスよ。
黒子っちが俺だけしか目に入らなかったいいのに……。
目を閉じ彼の寝息にあわせ自分も呼吸をすると段々と意識が遠ざかっていった。