第2章 始まる前の準備を1つ
ダダダダダダダダ…
「おいおい、なんだこの音は」
青年が音に気づき振り向くとものすごい高さの土煙がのぼっていた
土煙の前には人の姿があり、こっちへ向かってきている
「おい越前、あれ見ろよ!」
興奮したように青年が騒ぐ
青年に言われたリョーマが振り向くと
土煙の原因がリョーマに気づいた
「リョーマー!!」
手を降りながら思いきり叫んだ
が、リョーマはなにもなかったように歩き始める
「知り合いじゃねーのか?」
「あんな人知りません」
青年こと桃城武がリョーマと、後ろから走ってくる人影を見比べていると
「ちょっとリョーマ!無視しないでよ!」
「無視してない、あんた誰」
「なっ!一夜を共にした仲だと言うのに…ひどいわ!」
「越前、お前…大人になったんだな…うっ」
「ちょ、桃城先輩勘違いしないでください」
「私にあーんなことやこーんなことまでしといて、しらを切るつもりね!!」
「越前以外と野獣なんだな」
「だから、違いますって」
「もう、もう、リョーマなんて…知らないんだからぁ~!!!」
────
「と、いうわけで
身寄りのない私を保護してくれたのがリョーマというわけです…」
あのあと走り去ろうとした私の首根っこつかんで離さないリョーマにこっぴどく怒られ、今桃城くんに事情説明したところです…
もちろん!トリップしたことは伏せてます!
うぅ…リョーマまだ怒ってる…(泣)
「なるほどな事情はわかった。で、これからどうすんだ?」
「それはまだ、なにも考えてなくて…」
昨日はどたばたして気づいたら寝ちゃったし
これから先のことなんてなにも考えてなかった
「って、まぁ、俺たちで考えてもしかたねーよな!
いっちょ体でも動かすか!」
「あ、朝練遅刻」
「マジか!いや、走れば間に合う!いくぞっ!」
と、またも全力疾走
特別運動してきたわけではないけどこっちの世界に来てから体がどうも軽い
空が飛べそうなほど軽い(それはないけど)
なので現役スポーツマンの二人にも引きをとらない早さでついていっている
そうこうしているうちに学校へ到着
二人はテニスコートに向かっていってしまったけど
私は向こうに行ってもなにもないので
普段漫画では見られない校舎を探索することにした