第2章 始まる前の準備を1つ
「ぐー…ぐー…」
口を開けて、大の字で寝る彼女をリョーマは見つめていた
「もう、7時半なんだけど」
昨日の夜リョーマを起こすと張り切っていた彼女は熟睡中
先程から何度も起こしているが一向に起きる気配がない
「もういい、先にいってる」
しびれを切らしたリョーマが朝練へ向かった
─1時間後─
「んむ…あれ、今、何時だぁ?」
やっと目覚めた彼女は辺りを見渡し、リョーマがいないことに気づく
「あれ!リョーマは?!
はっ!もしや!今までのは全部夢だったのでは!!!」
一人部屋で混乱していると
「あ、おはようございます
朝ご飯できてますよ」
彼女が起きたことに気づいた菜々子が声をかけた
「菜々子さーん!!
ってことはやっぱり夢じゃなぁーい!
あれ、じゃあ、リョーマは…」
一人でわめいていると
「リョーマさんなら朝の練習に行きましたよ?
つい、一時間前くらいに…」
「なるほど!!では、私も行って参ります!」
「じゃあ、朝ご飯はいらないかしら…」
「そ、そんなことありません!要ります!食べます!」
悲しげな菜々子を見て思わずあせる
(でも、そんな菜々子さんもかわいい~)