第4章 これからが本番
トントントントン…
野菜を切る音がキッチンからきこえる
そんな心地よい音を聴きながら二人は話し込んでいた
「君も貞治と同じテニス部なんだね」
「はい」
「実は僕もテニスをやってて、まぁ、大会に出たりとかはないんだけど
そこで貞治と出会ったんだよ」
「そう、なんですか」
「青学は強いって有名だけど、君もそれで入ったのかな?」
「あ、まぁ」
「そういえば名前聞いてなかったね」
「越前リョーマです」
「越前…聞いたことあるよ!!僕が知ってるのは越前南次郎だけどね」
「あぁそいつは…」
「ご飯できましたよー!!」
大きなお皿いっぱいに料理が並んでいる
それをせっせと運ぶさなえちゃん
「ありがと、運ぶのは僕たちに任せて」
「でも…」
「さなえは座ってなよ」
「うん、わかった!
ありがとうございます!」
豪華な料理がテーブルに並ぶ
「スゴいね」
「はい、張り切ってしまいました」
「良いと思うよ、じゃあ冷める前にいただこうか」
「「「いただきます」」」
3人で雑談しながら食べる
「やっぱり、みんなで食べるご飯は美味しいね! 」
「そうだね、僕も久しぶりに賑やかなご飯だよ」
「もぐもくもぐ…」
「リョーマはいつもみんなと食べてるんだっけ?」
「まあ、そうだね」
「いいなぁ家族団らんかぁ」
「さなえちゃんは家族のこと覚えてるの?」
あ、そうだった
大家さんには記憶喪失で話してるんだった…
ちゃんと、ほんとのこと話さないとダメだよね
「大家さん!実は、お話があります!」
意を決してさなえは大きな声をあげる