第2章 始まる前の準備を1つ
「ここ、ですか…」
首が折れるのではないかというくらいの高さがあるマンション
見た目からとても高そう
こ、これって世で言う大理石というものでは?!
床一面が大理石のフロント
天井にはシャンデリア
「嘘、ですよね?」
「いや、嘘ではないぞ」
「こ、こんなところ、家賃なんて到底払えないですよ!」
「それが、無料でいいらしい」
「絶対何かありますよね!!裏ありますよね!!!」
「なんでも、今居る住人でもとがとれてるそうで空き部屋が多いと持ち主もいろいろあるそうなんだ」
ものすごくあやしい…
でも、これを断ったら次のチャンスなんてないし…
そうよ!元々無くすものは無くしてきたんだ!
今さら怯えても仕方ない!
ここが私の家なんだ!!!
って…
「えぇー?!?!ここに住むんですかー?!」
私が案内された部屋は45階の角部屋
玄関から伸びた廊下を過ぎ、扉を開けると広々とした部屋
テレビにテーブル、椅子に絨毯
ベッドもあるし、キッチン用具もすべて勢揃い
部屋の半分はガラス張りでL字に伸びたベランダから外の景色が見えてる
ベランダにもパラソルがついたテーブルに…etc.
「あの、これはいったい…」
「持ち主にさなえのことを軽く話したら必要なものは揃えておくと言っていたのだが…ここまでとは」
「あの、何て言ったんですか??」
「あぁ、記憶喪失の家なき子と言っておいた」
なんか大袈裟になってるぅー!!!!