あなたの声が聞きたくて【another story】
第6章 松川一静
姉「かーわいぃぃ!!!」
突然騒ぎ始めたかと思ったら姉ちゃんは優に抱きついて来た。
優「ふぇあ!!?」
姉「声まで可愛い!!一静には勿体無い!!」
そんなの俺が一番良く知ってるっつーの。
俺には勿体無いくらいのいい彼女。
誰より良く知ってる。
それでも、
優「や、そんな!私の方こそ一静くんは勿体無いくらいって言うか!
こんな私のこと大事にしてくれて、凄くいい人です!!」
優が思ってくれる限り傍に居てやりたいと思う。
姉「イイ子だね、、、。一静、大事にしなよ?」
「当たり前。」
母「一静も優ちゃんもご飯できるまで部屋でゆっくりしてて!できたら呼ぶわ」
優「あっ、ありがとうございます。」
「へーい」
優のことは母さんも初めて会った時からすっかり気に入っちゃってるからこれでもかと甘やかされる。
飯の支度を手伝おうものなら娘がもう一人増えたみたいだと年甲斐もなくキャッキャはしゃぐだろう。
父さんも母さんの前でだけ優を褒めちぎっているのを知っている。
優の意図せずして外堀が着々と埋められていく。