あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
「なー及川。」
及「なぁに?岩ちゃん」
毎日行われる及川と二人での勉強会。
幸い教室には誰も居ねえし、優も今日は部活に参加してて来ねえ。
「お前さあ、何悩んでんの?」
及「ブフッ!」
答えの代わりに吹き出しやがった。
「汚えなクソ川!!」
及「っ、、なんでそう思うの?」
もっと喚くと思ってた俺は少し拍子抜け。
「優を見る目が苦しそうだったから。」
そう言うと少し眉を顰めた。
及「、、、やっぱ分かっちゃうか、岩ちゃんには」
「それは認めるってことでいいんだな?」
及「、、、認めるよ。悩んでる。優、、、と言うか、俺自身のことで。」
「なんで悩むんだよ。」
及「優はさ、世に言う“天才”ってやつでしょ?牛若ちゃんや飛雄と同じ。」
何を言わんとしているのかは何となく分かった。
が、気にくわない。
非常に気にくわない。