あなたの声が聞きたくて【another story】
第5章 岩泉一【番外編】2
優の寝顔を撮りたい、飯が食いたいとゴネるあいつらを家から追い出し、すぐに優の寝るソファへと向かった。
規則正しい寝息に頬が緩む。
「気持ち良さそーな顔しやがって」
薄めのタオルケットを起こさないようそっと掛けてやって柔らかい頬をするりと撫でた。
するとゆっくりと目が開いて茶色がかった綺麗な瞳か俺を捉えた。
優「はじめ、、、?」
まだ覚醒しきっていないのか言葉が覚束ない。
「ん、なんだ?」
優「みんなは?」
「話し合い終わったから帰ったよ。」
優「帰っ、ちゃったのかぁ」
そう言ってのそっと身体を起こすと、部屋着にされた俺のパーカーから綺麗な肩が覗いた。
寝起きのせいか雰囲気もポヤポヤしている気がする。
優「はじめ、抱っこ。」
両手を広げて抱っこされるのを待つ優と戸惑う俺。
結局優には勝てず、と言うのは建前で、
「わり、優。我慢出来ねぇ。」
俺が俺に負けた。
優を抱いたまんま寝室に向かった。