あなたの声が聞きたくて【another story】
第4章 花巻貴大
日が暮れるまで試合をして、その後も監督たちと飯食って、優と過ごせる僅かな時間を堪能した。
優「たーーのしかったぁぁ!」
「そりゃ良かったな。」
年明けすぐに優は東京へ戻る。
いつ戻ってこれるかも、いつ会えるかもわからない。
先が見えない分、不安はでかい。
__もし、優に他に好きな奴ができたら、、、
考えるだけで胃がムカムカする。
澄んだ空に見える星を眺めながら、そんなことを考えていた。
ぐいっ
「いってぇ!」
優「、、、また考えこんでる。」
急に耳を引っ張られ、体は優の方に傾いた。
優「心配しなくても貴大のことしか見てないよ。」
俺の不安を的確につく言葉。
「俺もお前しか見てないよ。」
言葉で伝えられることは限られてるけど、
その言葉ひとつで救われる事もある。
今がきっとそうだ。
「ぜってぇ迎えに行く。」
優「うん。待ってる。」
満天の星空の下、高校生のガキができる、精一杯の約束。
この腕の中の大切な温もりを、一生守りたい。
新しい年を迎えてすぐ
優は宮城を出発した。