あなたの声が聞きたくて【another story】
第3章 岩泉一【番外編】
モヤモヤする気持ちを抑えこみ、練習に集中した。
けどその日、はじめは一度も目を合わせようとしなかった。
練習が終わって晩ご飯のことを聞いても返事は「おう。」しか返ってこず、帰り道の会話もちゃんと成立していなかった。
隣りに居るのにこれじゃまるで居ないのと同じじゃない、、、。
不安を感じてるのに気づいて欲しくて
いつもはじめの部屋で二人で寝るのをやめて自分の部屋で寝た。
一人のベットは寂しくて寒くて、、、
それでもはじめは気づいてくれなかった。
「おはよ、、、。」
岩「おー、、、はよ。」
ポリポリと頭を掻きながら起きてきたはじめはいつも通りでちょっとショックだった。
一緒に居るのが少し辛くなって、いつもより早く家を出てコンビニに寄った。
あ、、、今月のファッション雑誌まだ買ってなかったなー
そして雑誌コーナーに足を運んで
お目当ての雑誌を手にとった。
ふと視線を移した先には週刊誌が置いてあって、今日発売のものだった。
目立つように大きく表紙に書かれていた言葉は
『男子バレーボール岩泉一選手、美女と密会か』
思わず持っていた雑誌を落としそうになってしまった。
「なに、、、これ、、、」