あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
「岩ちゃん。」
名前を読んだだけなのに理解して、抱えていた肩を降ろしてくれた。
あの綺麗な目で俺をじっと見つめる優にまた愛おしさが募って
まるで底無し沼みたいに嵌っていく。
俺はもうコイツしか愛せない。
「優。」
壊れ物を扱うかの様にそっと優の両手を手にとって深呼吸をした。
試合より緊張すっかもしんねー、、、。
みんな見てるもんね、失敗したら一生の恥だよ。
ドクドクと激しく脈を打つ心臓。
どうかこの音が優に聞こえていませんように。
「高崎優さん、俺と結婚して下さい。」
みんなの前でした決死のプロポーズだったのに、言われた本人は「、、、え?」ってを顔してる。
岩「優固まってんじゃねーぞー」
木「返事したれよー」
男バ「断っちまえー」
後ろから聞こえてくる野次。つか、
「一番最後の誰だよ!!」
優「とお、る。」
野次馬を黙らせて再び向き直ると不安そうな顔をした優がいた。