あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
岩「何ボーッとしてんだ!勝ったんだぞ!!」
「へっ?勝ったの?」
岩「お前頭イカれたのか?いや、元々か」
「なっ!俺は、頭脳明晰ですぅー!」
牛「及川、現実を見たらどうだ?」
「うるせー!!」
木「勝ったのも分かんねーなんて馬鹿だな及川!」
影「その通りっすよ及川さん。」
「お前らには言われたくねーよ!!」
ゼェゼェと肩で息をしていると安心して力が抜けたのかフラッと視界が揺れた。
岩「及川!!」
「ッハハ、、、膝に力入んねー、、。」
よっこらせと岩ちゃんに支えられながら試合終了の挨拶をした。
あとはずっと考えてた“アノ事”を言うだけ。
ギャラリーの上の方に居たはずの優はいつの間にか関係者席に下りてきていて、ぼっ君やチビちゃんに話しかけられていた。
「アイツら、、、」
それに気づいた岩ちゃんがゆっくりとそっちに向かってくれて、俺が来たことに気づいて皆も道を開けてくれた。
優「とおる、、、」
俺の大好きな声で俺の名前を呼ばれる。
どんな褒め言葉よりも気持ちいい。
「勝ったよ。」
そう言って岩ちゃんと拳を突き出すと、優もゴツッっと拳を合わせた。
岩「〜ッ、、、手加減しろよバカ!!」
優「感極まっちゃって!」