あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
あーくそっ右膝痛ぇ。
踏ん張り効かねーし。
トスもブレてきてる。
みんなも俺の異変に気付いて来てる。
ここまで、、、なのかなぁ
痛む膝に手をついて睨むように自分が今立っているコートを見つめた。
「諦めてんじゃねーよ、とおるーー!!」
「えっ、、、」
「負けてもいないうちから、下向くな!!
前を見ろ!!周りを見ろ!!仲間を見ろ!!
そんで、優勝しろよ!バカ徹!!」
「優、、、」
優「私は、そんな腑抜けを好きになった覚えは無い!!」
周りの視線も、カメラも相手チームも全部全部無視して俺だけに向けられた言葉。
岩「だってよ及川。」
牛「最後くらい意地見せたらどうだ」
影「及川さん交替してもいいっすよ」
「飛雄ちゃんうるさい!誰が交替すっかよ!!
、、、速攻終わらしてやるよ」
大きく息を吸ってライトが眩しく光る天井を見た。
夢にまで見た世界の舞台。
どうせなら夢叶えて終わらせたほうがいい。
闘争心が溢れ出しそうになるのを抑えこんで仲間の方を向いた。
「さあラストだ。信じてるよ、お前ら。」
岩「ったりめーだ。」
牛「信じてないなど言わせん。」
木「俺も信じてんぞ及川!ヘイヘイヘーイ!」