あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
4年
優が代表入りしてから4年が経った。
俺と岩ちゃんが東京の大学に進学してからは2ヶ月に一回は会うことが出来た。
そして今
〔さあオリンピック男子バレー決勝、両チーム2セットをとり運命のファイナルセットです!!〕
俺と岩ちゃんは約束通り世界の舞台にいた。
背負った番号は優と同じ『1』
キャプテンマークもお揃い。
チームの調子は至って悪くない。
牛若ちゃんもぼっ君もチビちゃんも岩ちゃんもノってきてる。
悪いのは俺の右膝だけ。
関節に針を刺したような痛みが襲う。
「チッ、、、」
あともう少し、、、
あともう少しなのに、、、
こんなとこで抜けてらんねーのに。
同時開催された女バレの決勝。
優は勝っただろうか
酸欠と膝の痛みでボヤける思考の片隅でふと思った。
優に会いたい。