あなたの声が聞きたくて【another story】
第11章 澤村大地
宮城と東京の距離は思っていたよりずっと遠く
不安の積もるものだった。
簡単には会いに行けない距離
これまでより合わないお互いの時間
俺には青城の奴らみたいに一緒に過ごした時間がある訳じゃない。
スガや影山みたいにカッコよく告白したわけでもない。
彼女の言葉を疑ってる訳じゃないのに、不安になる。
それでも、この関係を続けられたのは
俺の不安になったタイミングを狙ったように送られてくる彼女からのメール。
『大地くんに似た犬がいたよ』
『これ大地くんに似合いそうだね』
『早く大地くんに会いたいな!』
彼女の一言ひと言に、俺も勇気をもらった。
将来に対する覚悟も、決まった。