あなたの声が聞きたくて【another story】
第10章 岩泉一誕生祭【番外編】
「岩ちゃんさぁ、誕生日に喧嘩したいわけ?」
「そんなんじゃねぇよ。」
「ま、気をつけてねー」
このフロアにあいつがいなくて良かったと本気で思った瞬間だった。
そんなこんなで今日1日優しくされながら過ごし、定時になったところで帰ろうと荷物をまとめていたらポケットの中でム"ーッと震えるケータイ。
「はい、もしも「えーっと、優は預かった。返して欲しけりゃ駅前のバーに来い」
ブチッ、と強制的に通話を終わらせ大きく溜息を吐いた。
あの胡散臭い感じは確か黒尾だった。
めんどくせぇ。
なんで誕生日にこんなことしなきゃなんねぇんだ。
早く帰って誕生日ってこと利用してアレコレしようと思ってたのによ…
アレコレについては聞くなよ。
ナイショだバカ。
めんどくせぇけど行くしかねーか。
バカみてーな量のプレゼントを紙袋に詰め込みエレベーターに乗り込んだ。