あなたの声が聞きたくて【another story】
第9章 岩泉一【番外編】4
結局徹が我が家に来ることは許されず、2人での帰宅となった。
「ご飯なに食べたい?」
「今日は麺の気分。」
「分かった。」
大雑把なリクエストを受けて最寄りのスーパーに足を運んだ。
「お、優ちゃんと岩泉じゃん!久し振りー」
そこで会ったのは
「家ここら辺なのか?」
「うん、近所なの。久し振りだね、孝支くん」
「活躍してんなー!テレビとかでよく見るよ。影山と日向も元気そうか?」
「相変わらずピョンピョン跳ね回ってるよ。」
懐かしい相手に会い話が弾んでしまう。ふと後ろを見てもはじめが居なくて、キョロキョロとあたりを見回す。
「岩泉ならあっち行ったよ。引き止めちゃってごめんな!俺もこの近くに越して来たから今度機会があったら来てくれよ!」
じゃーな!と去った孝支くんは、爽やかイケメンが売りな幼馴染みのバレーボール選手よりもずっと爽やかだった。
「あ、はじめ探さなきゃ。」