あなたの声が聞きたくて【another story】
第9章 岩泉一【番外編】4
ワタワタとご飯を食べ、食器を洗っている間に洗濯機を回しておく。
「優おわったー」
身支度を終えたはじめが洗濯物を干してくれる。
「お前またサイズ上がったのか?」
…なんて朝っぱらから下な質問は放っておくとこにして。
チャッチャと身支度を終えるとはじめも干し終わり、カバンを持って玄関に向かう。
「行ってきます、はじめ」
「行ってくる」
狭い玄関で背を向けた状態で顔だけ振り返り、何の違和感もなく唇を合わせる。
鍵を締めてエレベーターに乗り込むとバタバタを足音を響かせ駆け込んで来る小学生たち。
「あー岩ちゃん選手に舞姫選手!」
「おはよう。あといつも言ってるけど私は優です!舞姫は名前じゃないのよ?」
「お前俺のも訂正しろよ。岩ちゃん選手じゃねぇ!」
「ごめんねー岩ちゃん選手朝から元気すぎてねー」
「おいコラてめえ。」
先程の甘い空気はどこへやらって感じですな。