あなたの声が聞きたくて【another story】
第9章 岩泉一【番外編】4
ピピピ…と鳴り響く目覚ましを止め、筋肉で重くなった腕を退かし隣で気持ち良さそうに眠るゴリラ、もとい私の旦那様であるはじめの体を揺する。
「起きてー。仕事遅れるー。」
それでも起きない彼の布団をバサッと捲りあげ、彼の脇をこれでもかと擽る。
「っな!はっ、く、はははッばか、やめっ」
涙目になりだした頃に止めて退けると身体を起こしてぐでーっとなるはじめ。
「はじめ君老けましたか」
「おめーのせいだよ」
「私悪くない。はじめ起きないの悪い。」
「なんでカタコトなんだよ」
むす、っとしていると腕を引かれ重なる唇。
「おはようのちゅーだな。」
はじめっ…
「はじめがちゅーって言うの違和感の塊だわ」
「雰囲気もクソもねぇなお前は」
それより早くご飯食べないと遅刻するんだけど!!?