あなたの声が聞きたくて【another story】
第8章 国見英
次の日の朝練では何事も無かったように話しかけてきて、でもどこか様子が違った。
休憩中とか練習後とか、いつも部員の誰かしらに捕まってるはずなのに、俺の所にいる。
「なんか変?」
「いえ、何でもないです。」
俺があんな事言ったからなのかな。
嬉しいのに、なんか苦しい。
何がしたいのか全然分かんない。
程なくして優さんの進路が決まった。
東京の大学。推薦だったらしい。
何で同い年じゃないんだ。
何度も思ったその言葉がぐるぐる回って頭の中も腹ん中もぐちゃぐちゃになりそうだ。
ねぇ優さん、俺どうしたらいいですか?