あなたの声が聞きたくて【another story】
第8章 国見英
嫉妬なんてダサい。
子供っぽい。
そう思ってたのに、いざ自分がそれをすると溢れ出して止まらない。
「英。」
部活を終えた帰り道、何も話そうとしない俺を見兼ねたのか心配そうに声をかけられた。
嬉しいのに、何だかいらいらする。
「具合でも悪い…?それとも…怒ってる?」
なんでそんなこと聞くんですか。
俺が怒るようなことしたんですか。
俺の想像に過ぎないのにイライラが止まらない。
「優さん、本当に俺のこと好きですか?」
「え…」
言った後、ふと我に返った。
目の前にあるのは混乱を隠せない優さんの姿。
おれ、やらかした…
「忙しい時期なのは分かってます。でも、全然俺との時間ないし、及川さんたちとよく居るし。」
もっと俺のことも考えて、なんて、ただの我侭じゃないか。こんなの優さんのこと困らせるだけだ。
「すみませ「ごめんね。」…?」
なんで、優さんが謝るの…?