あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
「違う、、、俺が勝手に、開いてしまう距離に不安になって嫉妬してるだけなんだ。」
だってあんな醜い感情、見たらきっと引いちゃうから。
優「あんたは私をなんだと思ってるの?」
俺の腕を解き俺の方を向くと、顔を両手でパンッと挟まれた。
「優、、いひゃい」
優「今までずっとあんたといて、色んなとこ見てきたのに、今更どんな徹を見せられたところで嫌いになんてならないよ」
手で挟まれててじっと見てくる視線から逃れられない。
優「徹。私はね、徹とはじめが私に追い付いてくれるって信じてる。ううん、追いつくだけじゃなくていつかきっと抜かしてくれるって」
優「今すぐじゃなくても、いつか必ず」
優「それまでずっと待ってる」
とびきり優しい顔で微笑む優は他の誰より可愛くて泣きそうになった。
優「泣くなバカ。」
「泣いてない!!」
優「とーる、、、」
「ん?」
優「私もね、不安だよ。徹とはじめがいない土地でやっていける自信とか全然無いし、私なんかが代表で良いのかなって思う。私はきっと徹が思ってるほど出来た人間じゃない。
だから、、、私の背中押してよ、、、頑張れって言って?」
俺が不安に思ったり、羨ましいと思ったりしたことを優も不安に思っていた。
「ごめんね、優。気付いてあげられなくて、、、頑張れ、優。お前なら出来るよ」
そして俺の制服にしがみつく優をきつく抱きしめた。