あなたの声が聞きたくて【another story】
第2章 及川徹
*及川*
放課後、岩ちゃんと勉強しようとしていると
優「とーる?」
どこか遠慮したように優が俺を呼んだ。
「どうしたの?」
優「話、できる?」
咄嗟に過ぎる嫌な予感。
別れ話、なんて事無いよね?
「いーよ!」
嫌な予感がして激しく脈を打つ心臓のあたりをぐっと押え、優に付いて行った。
「話って?」
空き教室に入って窓を開けた優に後ろから問いかける。
優「徹は、、、私といてツラい?」
脈が速くなるのが分かった。
何でそのこと知ってるの?
頭に浮かぶ疑問は言葉にできなかった。
優「何となくそうなんじゃないかなって思ってた。」
優の乾いた笑いには何の感情も込められてなくて、ちょっとした恐怖すら感じた。
優「少しの間だけど遠距離にもなるしさ」
やめて。それ以上は言わないで。
優「私が居ても辛そうだし」
違うから。そうじゃないんだ。
優「このまま徹を傷付けるくらいなら、、、」
そこまで喋った時、後ろから優を抱き締めた。
優の身体は小刻みに震えていた。