あなたの声が聞きたくて【another story】
第6章 松川一静
生温い風が俺らをサァッっと撫でるように吹き去って、沈黙を掻き消した。
「、、、で、お返事は?」
催促するのなんてみっともないかも知れないけどそれどころじゃねーんだわ。
俺も必死なんだよ。
優「、、、私の一番はバレーで、これからもきっとそうで、一静よりもバレーを優先するかもしれない。
それでも、
それでも私を愛してくれますか?」
今日何度目かの涙の雫を指でそっと拭い、暑さも気にせず抱き締めた。
「なぁに今更分かり切ったこと言ってんの。当たり前だろ?
俺は、バレーしてるお前が好きなの。勿論それ以外もだけどさ。
だから俺の名字貰ってくんね?」
願い乞う様にきつく抱き締めれば、俺の腕の中で何度も、何度も頷いてくれた。
「これ夢じゃねぇよな?」
優「夢じゃ、ない。ほんと。」
「だよな、、、。」
この温もりも、ドクッドクッと聞こえてくる優の鼓動も
全部ホンモノ。
「っはは、、、やべえ、泣きそ。」
付き合えた時以上に嬉しくて、幸せで
言葉にならない。