あなたの声が聞きたくて【another story】
第6章 松川一静
目の前で繰り広げられるプレーは高校の俺達がやってたのとはケタ違いの迫力のものだった。
及川の上げるトスも俺の知ってるあの頃よりずっと良くなってる。
岩泉だって昔もパワー5リラだったのに更に上がってる気がする。
「やっぱプロはちげえな、」
優「基本スペックが高いからね。徹やはじめみたいのは探せば結構そこら辺に転がってるし、それを活かせるかどうかなんだよ。ま、そのヘン徹はスキルと観察力がレベル高いから。
、、、それよりも頑張ったのははじめだと思う。」
選手として、幼馴染みとして、ずっと見てきたからなのだろう。
元烏野のチビちゃん程では無いとはいえ、バレー界においてはあまり高いとは言えない身長。
そこからどれ程努力したのか、全部、分かっているんだ。
なんだか妬ける。
けどそんな事を言ってる場合でもなく、試合は白熱しながら進んでいく。
「へえ、烏野のチビちゃんも代表だったんだ、あと影山。」
優「あの2人も何だかんだバレーでは阿吽だからね」
あのコンビを見て思い出すのは高校3年間を捧げたあの頃のこと。
全国に行くと誓って挑んだ準決勝
今思い出しても苦く苦しい出来事。
「アレが同じチームでプレーしてるとはねぇ」
時間の流れとは恐ろしいものだ。