あなたの声が聞きたくて【another story】
第6章 松川一静
それから季節をいくつ通り過ぎただろうか
少なくとも俺はタバコの似合う、高校生から見たらオッサンと呼ばれてもおかしくない歳になっていた。
優が日本代表になってから5年後、及川と岩泉も揃って念願の代表選手に選ばれた。
その間に何度か優は世界一の称号を手にした。
多忙な彼女とは年に数回しかデートらしいデートは出来なかったが、互いの気持ちは揺るがず、良い関係を続けられていた。
そして女子バレーが世界一を決め、残りは男子決勝のみを残した今日、
ある事を決意して、優達の約束が果たされる瞬間を優と一緒に見に来ていた。
「ねー優、俺も一緒のトコでいーの?」
優「いいよ?なんで?」
「何でって、、、テレビ的にマズくね?俺との事報道されたりとかさ」
優「私一静と付き合ってる事隠してないもん。一静が嫌ならやめるけど、、、」
「俺はお前の心配してんの。バレーに支障きたしたらダメなんだから。」
優「へーき。一緒に徹たちが勝つとこ見よ!」
こんなふうに寛大な所も昔から変わらずスキなんだよなあ。