あなたの声が聞きたくて【another story】
第6章 松川一静
その後しばらく話して店ん中って事もあって電話を切った。
花「やっぱ優すげーな。」
岩「今更かよ。」
花「今更だけどすげーじゃんか。俺らの仲間が日本代表選手とかさ」
岩「まーな。」
雑誌にテレビ、海外遠征、もちろん毎日の練習に忙しい俺の彼女は何だかもう住む世界が違う様な気がしてくる。
俺なんかよりもっと相応しい男いんじゃねえかな、なんて柄にもなく思ったりして。
遠距離余裕とかほざいてた癖に情ねぇ。
あー優、電話だけじゃなくて会いてえよ。
お得意のポーカーフェイスの下で考えるのはいつも優のこと。
及川あたりにはバレてそうな気もするけど、アイツも野暮な事は言わないハズ。
優不足で死にそ、、、とか言ってみる
するとタイミングを図ったかのように制服のポケットで揺れるさっき仕舞ったケータイ。
ん、L〇NEか、
パスワードを入力してアプリを開けば一番上にさっきまで考えていたアイツの名前
タップして開けば可愛らしいメッセージ
及「どうしたの、まっつん。顔なんか覆っちゃって」
「優が俺を萌え殺しにかかってきてる。」
及「へーよかったネ。」
及川の僻みはほっとくとして、俺の彼女はきっとエスパーかなんかなんだ。
俺の中の不安や心配をこの場に居なくたって察してくれる。
『優:一静の声聞けてよかった。だいすきだよ。』
「俺も、すき。」