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†D.gray-man† 追っかけ少女物語

第5章 ◆休暇の後





「・・・今度はテメェが始末しろ。」




気付けばサラを横抱きにしたユウが目の前にいて





「〝幸せ過ぎてツライ〟


だとよ。」





そう言って、サラを俺に押し付けた。



屋根の上という不安定な場所な故に

少しフラつきながら

その小さな体を受け止めた。







「ツライ・・・か。


俺、サラにとってマズイ事したんかな。」





へへっと笑いながら呟けば




「知るか。」




予想通りの答えが返ってくる。




別にハッキリとした答えが欲しい訳じゃない。

なんとなく、ただちょっと

モヤついたこの気持ちを

誰かに吐き出してみたかっただけさ。






俺の腕の中で

小さく寝息を立てるサラに視線を落とす。




「ノア、か。



きっと、俺には分かんねぇ何かを

一生抱えてくんさね。」





俺よりも歳下の

こんな華奢な女の子が


この世界の聖戦の中立たされて

使命を全うするべく闘っている。


ノアと教団、

敵対する2つの世界を渡るこの少女にとって

それはどちらが正義で正解なのか。



それを一生背負うんだ。





そんな少女の希望が

普通の女の子で居たい、だなんて。



それくらい叶えさせてやりたい、


そう思ってしまった。




ブックマンだから


何にも属さず、感情も持たず、

ただ記録していくだけの俺が



ーーーそう思ってしまったんさ。







手繋いで街歩いただけで、

幸せ過ぎてツライ


なんて。




もっと幸せな事いっぱい

教えてやりたいと思った。




サラの寝顔を見ながら

ふっと微笑むと



「気持ち悪ィ。

あとはそっちでやれ。




明日には居なくなるかもしれねぇぞ。」





ユウは捨て台詞を吐いて


屋根から飛び降りて行った。





























ーーーー居なくなる・・・?







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