第5章 ◆休暇の後
「サラ・・・?
と、ユウ?!」
そう、
そこにはサラとユウが並んで座っていて
思わず叫んでしまった。
そして、
「オイ、兎。」
勿論、気付かれたようで
低めのトーンでユウに呼ばれる。
「な、なんスか・・・?」
ユウの声音に
なんとなく嫌な予感はしている。
「ーーー代われ。」
・・・
・・・は?
「か、代われって何を?」
ユウの言ってる事に理解が出来ず
俺はそのまま問い返した。
「いいから代われっつってんだよ、
早く来やがれ。」
「ハイ」
ユウの殺気立った言葉(舌打ち付き)に
俺は即答で窓を登った。
そして、
サラとユウが並ぶ所まで来て気付く
ーーーえ?
「サラ、寝てんのか?」
そこにはユウの隣で
ユウに頭を凭れさせ
脱力しているサラ。
「テメェ、何やらかしたんだ。」
何って、
「別に何もしてないさ俺。
いつも通りに」
「コイツずっと泣いてたぞ。」
「えっ」
ユウの言葉に思わず固まる。
さっきから驚いてばっかりさ俺。
でも、
ーーーー泣いてたって、何で?
「いつも通りだ?
サラと手繋いで街歩くのが
テメェのいつも通りなのかよ。」
「何でそれ知って、、、
サラから聞いたんさ?」
「突き放すのか
優しくすんのか
場当たりの適当な事してんじゃねェよ。
ーーー仮にもブックマンだろ。」
・・・っ!
ユウの言葉に思わず詰まる。
それは、日頃からジジィに言われている事。
しかしユウからの言葉には
何故か客観的と言うより
感情が入っているように聞こえて
ずっしりと重い何かを感じた。