第5章 ◆休暇の後
『ねぇねぇ、
少し遠回りしたっていいよね。
まだ夕暮れ前だし。』
あの直後
サラのワールドが余りにも酷く
俺の背中から直ぐに降ろして
今はいつもの通りに
俺の後ろに張り付いている状態だ。
・・・彼女は、
寄生型対アクマ武器保持者のエクソシスト。
多少の傷であればその傷は
通常の人間よりもかなり修復が速い。
きっと、先程の高速移動による気持ち悪さも
直ぐに治ったんだろう。
だからって・・・
『それよか、お腹空いたねー!
コムイさんに報告終えたら
遅めのランチにしようよ。』
顔色の悪さは少し残ってはいるものの、
こんなに早く正常に戻るなんて・・・。
『外食も楽しかったなぁ。
また、絶対の絶対に行こうねっ!絶対!』
「 あのー・・・サラさん?」
『この髪飾りも一生大切にするよ!
肌身離さずつけるんだ~。
ラビから初めて貰った贈り物。』
「 いや!聞けって!」
バンバン背中にくるサラの世界。
もはや、攻撃とも言えるそれは
今までのような空想の物語ではなくて
現に行った時間の話題。
サラにとってはきっと、
良い思い出になったんだろうけど。
『ん?何?どうしたの?』
やっと俺の言葉が届いたのか
サラは話すことを辞めて
俺に向け首を傾げる。
「 ・・・いや、今回はその、
アクマが出て任務みたくなっちゃったし
コムイに報告する為に
早めに切り上げて帰ってきたから
また、今度
・・・気晴らしの続きでもしね?」
語尾の方をボリュームダウンさせながら
少し気恥しくなり俺は頭を掻く。
『ラビ・・・
それって、
脈アリアリのサインですか・・・!』
「 ・・・・・・・・・。」
ー・・・いや、もうほんと、
なんなんさこの子・・・。
狂いまくりさ・・・。