第5章 ◆休暇の後
『・・・・・・・・・・・・・・・吐きそ・・・・・・』
本部に着くや否や、
口元を押さえてふらっとよろける真っ青な顔のサラを
やんわり受け止める。
「 なぁに言ってるんさ?
ほんの32秒だろー?」
『秒数、数えてたの・・・?』
「 勿論、俺の本業っ!」
『・・・そ、そうだったね・・・・・・うぇっ。』
楽しくて仕方の無い俺は
ニコニコと笑いながら話すが、
俺の腕の中で青い顔のまま力の入ってないサラを見ると
少しばかり罪悪感が押し寄せる。
「 んー仕方ねぇな。」
『んぇ?な、に・・・?』
放ってはおけず、
サラの体勢を少し起こしてやってから
サラの前に背中を向けて屈んだ。
「ほれ、乗れさ。」
『・・・へっ。
え、、、い、いいの?』
「 いいのも何も、
さっきまで確り掴まってたさ。」
ーそれに、
昨日だって俺の腕ん中で
目いっぱいはしゃいでたじゃんか・・・。
『そういう
さり気なく優しくしてくれる所
ラビ、ズルいよ。
好きになっちゃうじゃん・・・。』
「 ・・・・・・」
サラはそうは言いながらも
ふわっと俺の背に掴まった。
ー・・・昨日も思ったけど、
サラ軽いのな。
アレンほど食べている感じはしないが
サラも寄生型イノセンス保持者だ。
それなりに食べないと身が持たない。
そんなことを考えていたら。
『おっけー!行こう!コムイさんの所。』
「 ・・・って元気じゃねぇか!」
さっきの顔面蒼白が嘘みたいに
元気な声が肩越しに響いた。