第4章 ◆休暇任務
ー・・・何の音さ?
まさか、まだアクマが?
警戒心を強めて周りを見渡すが
それらしい気配はしない。
「 気の所為・・・さ?」
『 ・・・ん?ラビ何か言った?』
充分に辺りを見て呟いた
小さな俺の独り言に
下から問い掛けてくるサラ
「 んや、何でもないさ。」
サラには聞こえないみたいさな。
未だ尻餅をついたままの状態で
ワンコに舐められているサラは
顔を俺に向けても尚舐められていた。
「 つか、どんだけ美味いんさ?サラの顔。
舐められすぎだろ。」
『 も、さっきから・・・
全然、離してくれないんだよ。
ラビーっ、助けて。』
余りにもずっと舐められているせいか
サラが徐々に後ろに倒れていっているのは
俺の気のせいなのか。
俺に助けを求めるサラが
俺に向けて右手を差し出す。
「 仕方ねーなぁ。」
『 はやく、・・・ ラビ
顔、剥がれちゃう・・・。』
「 おい、オマエもいい加減にしろさ。
サラはエサじゃないぞー。」
そう言ってワンコを抱こうとした瞬間
ーカチッ
「 !?」
またも鳴る先程の機械音。
思わず俺は
サラからワンコを引き離すために
差し出した手を止め、
即座に辺りを見渡す。
「 何さ・・・?」
ー何なんさ、さっきから?
しかし、
幾ら目を凝らして見渡しても
異変は何も見当たらない。
ーカチカチッ
「 ・・・!」
先程より強く鳴るその音
何処からしているのかも分からず
風で撓る木々の間を必死に探していた時
『 ・・・やっ!』
突然聞こえる小さなサラの悲鳴。
「 っ・・・!?」
俺の前に居たサラに視線を落とせば
そこには、先程までじゃれあっていた
ワンコとサラの姿はなく
視線をゆっくり前方に向ければ・・・
「 サラッ!」