第4章 ◆休暇任務
「 何処さ?・・・サラっ」
目を凝らし探しても
鬱蒼と茂る木々が邪魔してその下が見えない。
「 クソッ・・・なんも見えねぇさ。
ピストル持ってんなら
空砲撃ってくれりゃあ・・・」
ーパァンッ!!
そう思いついた事を言い終わる寸前。
その銃声音は静かな森の中で響いた。
「 ・・・つか、これってまさか。」
さっきも同じ様な事が起きた気がする。
それはサラが俺をアクマと間違えて・・・
ゾッとした直後、
その銃弾は目の前に現れ・・・
「 ・・・やっぱり!!」
またも、辛うじて避けると
そのまま地上へと降りた。
・・・というか、落ちた。
「 ぃでッ・・・!」
今回はクッションになる葉っぱも無く
丁度木々の開けた所で
背中から落ちた俺は
一瞬、フワッとする何かに当たって
地面へと着陸した。
「 ッてて・・・
・・・何さ、これ?。」
ぶつけた頭を抑えながら起き上がると
そこにはエメラルドグリーンに光る
ドーム状の小さな物体があった。
眩しい程に光るそれは良く見ると半透明で、
大きさは小さく、俺の背丈の半分程度。
「 こんなもんあったっけ・・・?」
腰を屈めて中を覗けばそこには
「 ・・・ワンッ!」
サラが保護したであろう子犬と
サラが去って行く際に抱いていた
さっきの母親犬が
こちらを向いて尻尾を振る姿。
「 え、お前ら・・・
って事は?」
『 ラビ・・・!』
目の前のワンコに視線を向けていると
ふと聞こえる背後からの足音。
それと同時に俺を呼ぶ聞き慣れた声。
その声に振り返るとそこにはピストル片手に
息を上げて走り来るサラが
俺を見てふわっと微笑む。
「 サラ・・・っ!」
『 良かったー!ラビ探したんだよ!』
「 大丈夫さ?さっきアクマが・・・」
急いで駆け寄れば、
躊躇なくバッと抱き着くサラの行為に
後ろに蹌踉けながら何とか抱き留め、
言いかけた言葉も途絶えた。
『ラビと別れてすぐアクマを見つけて
破壊直前にレベル4がラビを襲ってる
って言ってたから・・・。
無事で良かったよー!』