第4章 ◆休暇任務
ガキンッ!
「 ・・・やっぱ潜んでたんかお前。」
俺に向けて躊躇無く振り下ろされた
鎌のようなそいつの腕先を
ギリギリの所で鉄槌で防ぐ。
目の前にある奇怪なソイツの顔向けて
分かりきったように言葉を投げると
その奇怪な顔の口角が上がっていく。
「 イツカラ、気付いテタ?」
ニヤリと笑いながら俺と会話する
目の前のソイツは
何処か愉しそうだった。
「 直火判!」
グググ、と
鎌のような腕先が食い込む矢先
俺はイノセンスを発動し
炎でアクマを押し退け、体制を立て直した。
「 俺も気付いたのはさっきさ。
レベル2、だな?
お前ひとり?」
「 フッ、・・・ヒトリではナイ。
貴様もエクソシスト カ。」
火判を躱し、少し距離を置いて
後方に退るアクマに問い掛けると
アクマは姿勢を正して答える。
ー貴様〝も〟って事は、
サラが逃げられたって言ってたアクマ、か?
それより、ひとりじゃねぇんさ・・・?
「 お前の仲間は何処に居るんさ?」
敢えてアクマの質問には答えず
此方からも疑問を投げ掛ける。
「 サッキノ、エクソシスト。
オレの仲間ガ 今頃殺シテル。
・・・レベル4 ダカラ。」
至極愉しそうに口角を上げたまま言うアクマ。
ーーーガッ!
その発言をした瞬時に
俺は目の前のアクマを鉄槌で叩いた。
ーレベル4・・・。
「 アホか、
サラもエクソシストさ。
・・・易々と死なねーよ。」
心中を表には出さずに
余裕の振りして答える俺は
サラが走り去った方へ一瞬目を向け
即座に目の前のアクマに視線を戻す。
ーサラ、大丈夫だよな。
当てずっぽうに言ったけど
実際はその姿を見ていない。
任務の際はいつも
他のエクソシストと組んでいた
と聞いていたから、サラが一人の今
その存在を気にしつつ
俺の視線はゴオッと燃える鉄槌の下。
ふらっと揺れる影が一気に頭上へと飛んだ。
「 もう、屍ニ
ナッテイルゾ。」
ゆらゆらと逃げていく影を追い
俺も木の上まで飛び上がる。