第4章 ◆休暇任務
そんないつも通りの姿に少しほっとしながら
「 ・・・それならよし、
んで、今は
早くにアクマ見つけねぇとな。」
サラにそう言ってざっと辺りを見渡す。
「 ・・・サラ、
そいつ避難さしてくんね?」
『 あ、うん!
他の子達もすぐそこだから
一緒のところに連れてくね。』
「 おう。
俺はここら探索してるさ。」
サラのバリケードとやらも
少し気になったけど、
今はそれどころじゃない。
サラが戻ってくるまでは
此処でアクマを探す事にした。
俺が探索に掛かるとサラは
ジャッと地面を擦って
ワンコを抱いて後方へと走り出す。
「サラが戻る前に片付けたいさー。」
サラの姿が見えなくなったのを確認して
零す独り言。
ー・・・戦闘力が低く、回復メインなら
遠方射撃に徹底してもらう方が良い。
先程俺に向けて撃たれた銃弾の軌道を思い出せば
あの確実な軌道は相当な腕前と確信した。
きっと必死に鍛練重ねて身に付けたんだろう。
ーだから、無駄に傷つかないように。
サラが心から笑ってられるように。
・・・
「 ・・・って、なんさ俺。
何考えてんだ・・・。
・・・いやいや、
折角の非番だし。
休日の任務なんて後免さ。
・・・それだけ、それだけ。」
ー・・・サラの為じゃない。
そう言い聞かせて、鉄槌を担ぎ直す。
「 うし、
・・・そうと決まれば、
早く出てこいよアクマ。
・・・俺が相手になるさ。」
そう言って、
先程から微かに感じる気配へと
体を向けた。
睨み付けるように視線を送る
その方向の木々が僅かに揺れる。
「 ・・・。」
鉄槌を持つ手に少しずつ力を込めていき
ーザワッ
「 っ!!」
一瞬ざわついた木々の葉が合図となり
一気に飛び出す何かが一直線に
俺に向かってくる。