第4章 ◆休暇任務
「 ・・・っ、はぁ、はぁ・・・。
おーい、サラー?」
ー・・・まずい、俺の方がまずい。
「 サラー?」
いきなり走り出すサラを
追ってきたはいいけど・・・
「 サラーっ?
何処だー?返事しろーっ・・・。」
ー・・・完全にサラを見失っちまった。
唐突に行動するのもアレンと一緒さ。
流石はアレンとタメなだけあるさな。
って感心してる場合じゃねえ。
何であんな足速いんさサラ。
それに加えてこの森林、
見失うのも容易かった、情けない俺・・・。
それよりサラ、方向分かってるんか?
とにかく周りを見渡し
サラの気配を辿る。
幾ら非番でもエクソシストはエクソシスト。
戦闘の最中でない限り
気配を消すってことは、早々ない。
・・・って、
さっき気配消してたんだっけかサラ。
ワンコ達が昼寝してると悪いとかなんとかで
・・・
「 あーー、俺のしたことが!
こんな時に気配消しやがってーー!
どうしよう・・・。
サラさーん、お願い出てきてー。」
・・・はぁ。とんだ災難さ。
つって捜さないわけにも行かねぇし。
アレンと同じでも
アレン程の方向音痴ではない、はず。
それなら目印かなんか付けて・・・
・・・ってサラと任務も休日も
過ごした事ないから
サラがそういう事するかも分かんねぇ・・・。
「 ・・・地道に捜すしかないさ?」
はぁ・・・。
盛大な溜息を零し一先ず落ち着かせる。
藪から棒に歩いたって仕方ない。
とりあえず、サラが何を見ていたか
俺達が立っていた場所から見える範囲内を
探す事にした。
「 サラーー
聞こえたら返事しろよー!」
ー・・・夕暮れ前までに見つかってくれさ。
そう淡い期待を抱きながら
木々で囲まれたこの森林地帯を
声を上げてサラの捜索へと
身を呈した。