第4章 ◆休暇任務
「 おーい、サラー・・・。」
「 ・・・。」
「 サラ何処だー?」
「 ・・・。」
ー・・・やっぱ、おかしいさ。
さっき俺達が立っていたところから
見える範囲内は全て見て回ったが
人影も何も無い。
鬱蒼と茂る木々が
風によって時折撓るだけ。
・・・。
「あー、まじでやばい。
どうしよう。
このまんまじゃ確実に俺、
コムイに殺される・・・。」
もはや、明日の任務云々の話ではない。
コムイからすれば任務同行に頷かせるのも
今回のサラの気分転換の中に
含まれてるんだろ、どーせ。
その為に休暇を一緒に過ごしてんのに
肝心のサラと逸れましたなんて知ったら
コムイにとっては本末転倒さ。
教団に戻って、ゴーレム連れてこりゃ
なんとか捜し出せそうだけど。
その間、行方不明のサラを
ここに放置する訳にも行かないし
俺、コムイに殺されたくねぇさ・・・。
はぁ、
俺は小さく溜め息をこぼし
その場に腰を下ろした。
ー・・・行き先くらい告げてけよな。
そんな風に考えながらも
「 知らないこと多すぎさ、・・・サラ。」
小さく呟いてから
目の前にキラキラと光る
木々の間から降り注ぐ木漏れ日を辿って
空を見上げた。
・・・。
「 ・・・あ、
そっか。」
ポン、と手を鳴らし
見えない電球を頭上に設けた。
「 俺もエクソシストじゃん。」
そう、閃いて
非番でも太股に付けてある
ホルダーに手を伸ばした。
「 ・・・伸。」