第4章 ◆休暇任務

「さて、

次はあそこの店行くさ。」


『 え？

･･･うん！』




キーホルダーをお互い分け合ったところで

目に付いた店を指さし向かう。


少し遅れて反応したサラが

小走りして、俺の後ろに落ち着いた。




･･･今思うと、教団内でサラは

しつこい程に俺に引っ付いて

鬱陶しがっていた俺の後ろばかりを

歩いていたからか

こんな街中でも俺の後ろってのが

安定ポジションらしい。


最早、癖のようなものさ？



･･･しっかし、

こんな街中で前後に歩くのは

明らかに違和感がある。



今日だけって言ったし、

逸れられたら色々面倒だし、

仕方ないさ。




「 ･･･ん。」



『 なに？』



いつものように、

俺の後ろに着くサラを見て

少し立ち止まり、手を差し出す。


その俺の行為に

意味の分かっていないサラが

頭を傾げ、俺を見上げた。



ー･･･いや、

･･･この期に及んで何首傾げてんさ。

分かれよ、俺が恥ずかしいじゃん。




「･･･怖ぇんだろ？

ほら、手。


それに、

逸れられたら俺が困るんさ。」





そう言って

恥ずかしさに到堪れなくなった俺は

サラから視線を外し

空いてる手で頭を掻いた。



『 ラビ、





･･･ありがとう。』





視線を外していたから

サラがどんな顔してたかなんて

解らなかったけど、

ワントーン上がった声で

礼を告げた後

サラは謙虚に俺の手をとった。



「 ･･･今日だけだから。」



小さくつぶやいたそれは

サラには聞こえなかったであろう。



『 ラビのこういう優しさが

私は大好きなんだよ。』



サラはニコニコとしながら

俺を見上げていた。


心無しか、顔を赤くしながら。