第4章 ◆休暇任務
『 皆でクリスマスをお祝いする為に
あんまり血を流さないよう任務遂行。
って意味でしょ?
さすが、ラビ!』
「 ・・・へ?」
あまりのポジティブシンキングに
間の抜けた声を上げる俺は
ただ、ポカンとしているばかり。
「 ・・・。」
そして、その発言の意味を理解した時
その考えだと、
緑の俺の柊ってどういった役目なんさ?
そんな疑問が浮かぶ。
『緑のラビは、
そんな私の糧になる存在です。
・・・そう思ったら、
明日の任務も頑張れそうだよ。』
そう言って俺に微笑むサラと
ばっちり目が合う。
え、心読まれてたの俺?
ていうか、緑関係ねぇさそれ・・・。
「 そ、そっか。
それならいいんさ・・・。」
とりあえず、緑の糧の俺はスルーして。
・・・何やら、別方向の話に
持って行かれた気がするけど
ま、まぁ、・・・いいや。
これで、コムイに明日の任務のことで
殺されなくて済む。
『 じゃー、はい。これ。
・・・大事にしようね。』
会話が一段落すると
サラはニッコリと笑い
片方のキーホルダーを俺に差し出した。
「 ・・・ん?」
目の前に差し出されたキーホルダーは
少し違和感があって
サラの方を見ると
『 ラビが赤い方、持ってて。
私が緑の方を持ってるから。』
先ほど言っていた配色は逆転されて
俺の目の前に差し出されたものは
赤のキーホルダーだった。
「 え?
赤がサラじゃねぇの?」
その真意が分からず
疑問を投げかけると
『 このキーホルダーをラビと思って
肌身離さず付けておきたいから。』
サラは何の躊躇いもなく
ストレートにそう告げた。
・・・。
「 ・・・そうですか。」
小さく返事をして
赤いキーホルダーを受け取る俺。
ー・・・彼女のこの根深い信念は
簡単には壊れなさそうさ・・・。